遺産分割協議書・相続手続き

 遺産分割協議書とは、遺産分割協議が行われたときに、その内容をまとめた書類の事を言います。遺産相続が始まりますと、相続人が一人なら全ての遺産を相続しますが、複数いる場合は誰がどの遺産を相続するのかを決める必要があります。そのため、相続人全員が集まって遺産分割の話し合いを協議します。協議で全員が合意できると遺産分割協議は終了して、その協議内容を明らかにするための書類を作成して、相続人がそれぞれ自署及び押印を行います。
 遺言によって相続人や受遺者が指定されている場合は、通常その記載内容の通りに相続されるので遺産分割協議は必要がありません。
 ただし、一部の遺産しか遺言されていない場合は、残りの遺産の協議が必要です。
 また、不動産、預貯金、株式、自動車の相続がある場合は、必ずといってよいほど遺産分割協議書は必要です。

​ ★遺産分割協議書の作成
 遺産分割協議書をつくる前に、遺産分割協議を行う必要があります。しかしそれ以前に被相続人の遺産の種類や価額を調査することが必要です。
 出来るだけ、すべての遺産を分割することが望まれますが、全体像が明らかでない場合もあるため、後日見つかった遺産の扱いについて「新たに遺産に含まれる財産が発見されたときは、誰々に相続させる、もしくは、その分について改めて分割を行う」といった留保をつけておくことが大切です。

 ・作成のポイント
① 協議は、法定相続人全員で話し合うことが原則ですが、一堂に会することも難しい場合は手紙や電話でのやり取りによる協議も可能ですが協議内容は全員の合意が必要です。

 

② 分割の方法で全員の合意が得られたら、その内容をまとめた遺産分割協議書を相続人の人数分作成します。協議書には相続人が直筆で署名し実印を押印します。
 

③ 協議書が2ページ以上にわたる場合は、ページ間に全員の実印で契印を押印、また数通に及ぶ協議書にも全員の実印による割印をそれぞれ押印しておくこと。
 

④ 協議内容には、誰がどの財産をどの程度取得するかを具体的に、詳細に記載を行います。
 特に相続財産をきちっと特定できるように明記します。
 不動産の場合は、登記簿謄本(表題部)に記載されている情報をそのまま記載して特定し ます。
 銀行口座の場合は、銀行名支店名、口座種別、口座番号を特定できるように、また自動車の場合は、車検証に記載されている通りに記載します。
 

⑤ ご事後に協議の対象となっていない遺産が見つかった場合の対応についても記載しておく必要があります。
 

 書式の例として法務局のリンクは下記のURLです
 http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★法定相続人とは
法定相続人とは民法で定められた相続人の事です。法定相続人の範囲は、まず被相続人の正式な婚姻関係にある配偶者はどんな場合であっても法定相続人になります。以外の法定相続人は相続順位が決められています。第一順位は子供(直系卑属)、第2順位は親(直系尊属)、第三順位は兄弟姉妹となっています。
 第一順位の子供が既に亡くなっている場合は、代襲相続で下へ下へと何代でも法定相続人になります。
 第二順位の親は、第一順位の直系卑属が誰もいない場合、親が法定相続人になります。代襲相続は上へ上へと何代でも法定相続人として代襲相続します。
 第三順位の兄弟姉妹は被相続人に直系卑属、直系尊属もない場合に法定相続人になります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、その子供(甥、姪)が代襲相続人になりますが、その子は代襲相続しません、一代限りの代襲相続です。
 それぞれの法定相続割合は以下のとおりです。
1.    配偶者と子が相続人の場合(第一順位)・・・各々1/2
2.    配偶者と直系尊属(父母、祖父母等上の世代)(第二順位)の相続の場合・・・配偶者2/3、直系尊属1/3
3.    配偶者と兄弟姉妹(第三順位)が相続・・・配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
4.    子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いる場合はその順位の割合を人数で均等割、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は父母を同じくする兄弟姉妹の1/2
5.    第一順位から第三順位の法定相続人が亡くなっている場合は第一順位は子や孫と下へ下へ代襲相続します、また第二順位の父母が亡くなっていればその上、上へと代襲相続されます。第三順位の場合は、甥、姪までの一代限りの代襲相続となります。相続割合は、それぞれの順位が受ける相続人の相続割合を代襲相続人の人数で均等割となります。

 

 ●相続人調査
 被相続人が生まれてから死亡までのすべての戸籍謄本(除籍、改製、謄本)を市役所等で収集して、相続人の戸籍謄本等から確定を行います。
 2017年に法定相続情報証明制度ができました。これは、【現在,相続手続では,お亡くなりになられた方の戸除籍謄本等の束を,相続手続を取り扱う各種窓口に何度も出し直す必要があります。
 法定相続情報証明制度は,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出していただければ,登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付します。
 その後の相続手続は,法定相続情報一覧図の写しを利用いただくことで,戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなります。(法務局ホームページより引用)】との制度で、登記官が認証してくれるので、信用度の非常に高い法定相続情報となります。

 

 ★遺産の調査
 相続によって相続人に承継される被相続人の権利義務などの相続財産を遺産と言います。
民法第896条「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」と規定しています。
 そのため、不動産、金銭、株券などの物、形のある財産だけでなく、債権、契約者の地位なども含まれます。また反対に義務もありますので負債も含まれます。
  相続財産して含まれないと考えられるものは、例えば本人以外受取人指定の生命保険、遺族の生活保障的な死亡退職金、祭祀財産(系譜、祭具、墳墓)が対象です。
  遺産の調査は具体的に、現金、預貯金、不動産、有価証券(株式、社債、国債など)、動産(宝石、骨とう品など)、車、貸金債権、債務などの遺産の範囲や評価を確定していくことになります。

​ ★相続関係手続き一覧表

   クリックしてください。PDF文書が開きます。